あるものは百倍にもなった。
(マルコによる福音書4章8節)
9月の聖書の言葉はイエス・キリストの語った言葉からです。イエス様は「種を蒔く人」をたとえにして人々に語りました。
「ある土地に蒔かれた種は芽を出さなかったが、ある土地に蒔かれた種は芽を出し、成長し、実を結んで百倍にもなった。」
このたとえ話は様々に解釈されていて、一つの解釈に断定できるわけではありません。ここでは一つの解釈を取り上げてみます。
イエス様は種を蒔く人のたとえを使って、「諦めずに豊かな収穫を信じて宣教するように。」と、弟子たちを励ましたのです。だとすると、このたとえ話のポイントは、大きな収穫に信頼し、希望を持って、忍耐して種蒔く人のほうにある、と言えるのではないでしょうか。宣教活動というものは、すぐに目に見えるような華々しい成果をあげるとは限らないからです。
教育も似ているところがあります。すぐに華々しい成果を上げるのはむずかしいです。特に、霊泉幼稚園では心や情緒といったことを大切にしていると、目に見える成果というものは乏しいでしょう。けれども、行事などの華々しい場ではなく、日常の何げない場面でこそ教職員は、大きな収穫に信頼し、希望を持って、忍耐して子どもたちに種を蒔いています。その種がいつか芽を出し、成長し、実を結んで百倍になることを信じています。そこについては私たち教職員を信頼してほしいと思います。2学期もどうぞよろしくお願いします。
記:園長 山田原野