霊泉幼稚園

10月の聖書の言葉

あなたがたの名が天に書き記されていることを喜びなさい。(ルカによる福音書1020)

 昔の人々は「名前がその人の本性を表す」という考え方を持っていました。日本や中国といった東洋世界では、目上の人の本名を言うのは恐れ多いこととされてきました。聖書の世界でも「神の名をみだりに唱えてはならない」という戒めがあるように、名前は神聖なものとして扱われています。

 イエス・キリストは72人の弟子を宣教に派遣しました。思わぬ良い経験をしたようです。「(イエスさまの)お名前を使うと、悪霊たちでさえ、わたしたちに屈服します。」と報告しました。悪霊というのは、目に見えない悪い力と理解してください。この悪霊が病気や困難をもたらすと当時の人々は考えていました。喜ぶ弟子たちにイエスさまは「悪霊が服従するからといって喜んではならない。むしろ、あなたがたの名が天に記されていることを喜びなさい。」と返しました。悪霊が屈服すること、すなわち、病気がいやされたり、困難から救われることは望ましいことです。しかし、イエスさまは本当に喜ぶべきことはそこじゃない、と言われるのです。

 弟子たちが本当に喜ぶべきことが「あなたがたの名が天に記されている」ことです。少し噛み砕いて言えば、神さまはひとりひとりの名を知っており、なおかつ大切にされているということです。名前はその人の本性を表しています。神さまが名前を知っているということは、強さや長所だけでなく、弱さや短所といった、まさしく本性を知っているということです。その上で、神さまは私の名を覚え、大切にしてくれるのです。

 私たちもひとりひとりの弱さや短所を含めた本性を大切にしたい、と願い保育にあたっています。

                                                            記:園長 山田原野

 

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